誕生

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「ご苦労さん」 病室で待っていた旦那が私に言った。 そして朝食を食べさせてくれた。 大きさはどうあれ無事に出産を終えた私は朝食を終えると寝てしまった。 何時間か寝てしまった私に旦那が言った。 「母さん昼ご飯だぞ」 昼食を済ませた私は旦那と新生児室に行くことに した。 新生児室には5人の赤ちゃんが並んで寝ていた。 そのど真ん中。 「あの子だぁ」 「デカい…。」 新生児の中に間違って一ヶ月児が混ざってしまったという感じだ。 普通サイズの赤ちゃんが小さく見える。 また寝かされている位置が悪い。 ど真ん中では一際大きく異様に目立つ。 そして凄い貫禄。 帰り際新生児を見に来た人から聞こえた。 「可愛い…」 「本当」 「でも…真ん中に寝かされている子デカくない? 本当に新生児?」 「女の子だってぇ… 4144で生まれたんだってぇ」 すぐ我が子のことだとわかる。 まさか私達の子供とは思ってもみなかっただろう。 真剣に驚いている。 言われても仕方ない…。 大きいのは事実だから。 でも結構体の大きい人は穏和でやさしい人が多い と聞いていた。 だからこの子だって… それに女の子だし… でもそれも甘い考えで現実は違っていた。
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