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病室へ娘がきた。
抱き上げてみる。
ずしっとして重い。
そしてミルクの時間。
看護婦がミルクの用意がのったワゴンをひいて病室に来た。
ミルクの作り方の説明をしながら言った。
「普通の新生児は60ccですけどこの子は100ccなんですよ」
「100cc?」
普通の…?…ということはこの子は…?
とっさに疑問に思った。
大きさからいけば…と思ってもまだ生まれたばかり…半信半疑で作ったミルクを与えてみる。
だが吸い付いたと思った瞬間勢いよく飲み始めた。
見る見るうちに哺乳瓶のミルクがなくなっていく。
わずか何分で飲み干してしまった。
そしてまだ足りないのか空になった哺乳瓶を離そうとしない。
吸い続けていた。
「はい!ご馳走さま」
哺乳瓶を離してみると吸っていた乳首がペシャンコになっている。
いかに吸う力が強いか…
私は乳首を見て思わず言った。
「凄い!!」
たくましい…の一言だ。
ミルクを飲ませ終わりゲップをさせてみる。
看護婦に言われたとおり抱き上げて背中を叩こうとした瞬間。
「ゲボッ!!」
耳元でした大きなゲップ。
「この子ゲップが早いんですよね」
看護婦が笑って言った。
新生児と思えない大きさにミルクの量そしてゲップとどれもダイナミックな娘。
もしかして将来大物か?
もう親バカな私だ。
でもこのたくましさは別物でそれが後々悩みの種になろうとはこの時私は思ってもみなかった。
ただ将来が楽しみになっていた浅はかな私でしかなかった。
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