学校

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 監視されていた?少なからず、こいつが起こしていたであろう奇妙な事柄に出くわすようになってからは監視されていたのだろう。昨日の記憶とノートとの数字の不一致があっての今日だ。タイミングが良すぎる。しかし何故俺なのだ。 「たくさんの疑問、謎があるだろうが、黙ってきいていてくれ。本題に入る前にまず君にあやまらなければならないな。腕の傷は申し訳ない。それは我々がつけたものだ。我々というのは私以外にも同士と呼べるものがいるということだ。腕に傷を付けたのは、これが単なる悪戯ではなく、我々からの重要なメッセージであったので、より君が不可解と思う事柄にインパクトを与えるためにそうした。それと実際の痛みを伴うことでしっかりと指示に従ってもらうためだ。とはいえ強引ともいえる、半ば脅迫に近いことをしてしまってすまないと思っている。しかしそれほどのことをしてまで君に気付いてほしいという願いからだった。申し訳ない。しかし君が思っている以上、このことはとても重要なことだ。それをわかってくれ。」 めちゃくちゃすぎて、何から理解していけばいいのかわからない。そして何よりやり口がどうも許せない。誤って済む問題だとでも思っているのか。わかってくれといわれて、わかるわけがない。こちらの混乱と怒りを無視したまま、男は話を続けた。 「それでは本題に入ろう。我々が人為的にしたことは、先に言った腕の傷とメモ書きを残したことのみだ。君はすべての不可解な事柄が我々の仕業だと思っているだろうが、そうではない。我々は君にクラスの人数を一ヵ月間毎日メモを取れといった。そして昨日感覚の不具合を感じただろう。君は記憶では今も、もともとクラスには41人いたと思っているだろう。しかし我々の指示で行なっていたクラス人数の22日間のデータには22日間連続して39人と書いてあった。ノートの字は間違いなく君のもので、毎日データを取っていたことは覚えているから、君自身が一番この矛盾を感じただろう。違うかい?」 その通りだ。どうしてずっと41だと思っていたにも関わらず、39と書いたのか。しかもどの日も欠席者はいない。ここに最大の矛盾を感じているのは紛れもない事実だった。 「はい、その通りそれには矛盾を感じました。」 「よろしい。君が自分の記憶を信じてるのか、ノートに残る数字を信じたのかは知らないが、答えから言うと正解は後者だ。実際にクラスの人数は
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