32人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふえぇぇえぇぇ~~!!!???」
遠ざかっていく我が仔の声に少々心は痛んだがこうでもしない限りあやつは飛ぼうともせんだろう。ゆるせ、と心の声でテティシアに詫びとエールを祖父ドラゴンのクリュエイは崖下に落ちていく仔、テティシアを心配げに見つめていた。
「ちょ、長老…っ?!」
一方、その動向を見守って若人達は早まったと勘違いをしてしまい狼狽えながら長であるクリュエイに真意を問いただす
「案ずるには及ばん。テティシアも飛ぼうとさえすれば飛べるはずだ。狼狽えずそこで見ておれ」
淡々とした様子で語るクリュエイに若人達は言葉をださずに見守ることしかできなかった
しかし、
"ザバァアアァン"
「……………」
予想とは裏腹に喚くだけで豪快な水飛沫を上げながら川に飲まれていったテティシアをクリュエイは何を言っていいか分からず、硬直してしまっていた
「………た、助けにいってきますね」
硬直してしまって動かない一族の長に見るに見兼ねた若人達はそう言い残すと自らの翼で川に飲まれて消えたテティシアを捜索しに飛んでいってしまった
最初のコメントを投稿しよう!