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「げほっ、げほっ!!」
激しい吐き気とお腹に広がるヒリヒリとした痛みに反射的に体を捩る。やがてはっきりとした意識で目を開けると横倒しになった視界が僕の瞳に映し出された
途端に視界の中にある太く赤い足のようなものがある事に気付く、辿りながら視線を上げると年上の…たぶんお姉さんだと思うドラゴンがこちらの方を目をぱちくりしながら見ていた
「あら、おはよう」
「あ、おはよーございます‥じゃなくて!ここは何処?僕はどうなったの?!」
のほほんとした様な雰囲気を醸し出すお姉さんドラゴンのペースに巻き込まれかけたけどなんとか留まり状況の説明を求める
起きたばかりで僕も半ばパニくっていたがお姉さんドラゴンは僕の早急に。という意志を見事に踏み砕くようにゆっくりと意味を咀嚼するとこれまたゆっくりと問いに答える
「えーっとね…散歩がてらに空を飛んでいたらね、坊やが川で溺れてたから助けて上げたの。それだけ。それ以外は私はわからないわねぇ…」
ガクッ
なぜかこのお姉さんが話をすると力が半減する気がする…。
最初はツッこんでやりたかったがそうだとしたら聞ける事はこれが限界かなと判断すると僕はガクリと肩を落としていた
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