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「あ、あの…」
そして、僕は意を決して吐き出してみた。直ぐにお姉さんが反応しゆっくりと首を傾げる
「なぁに…?」
恥ずかしいし気が引けるけど…仕方ないよね。
「すみませんが、僕を川の上流の崖まで運んでくれませんか…?」
あー、言っちゃった…。多分、なんで?とか、空は飛べないの?とか聞かれちゃうんだろうなぁ…
そんなマイナス思考な事を思い浮べながら僕は居心地悪そうにお姉さんの返事を待った。だけどお姉さんの反応は僕の想像とは違うものだった
「えぇ…いいわよ。さぁ、乗って」
ほんわりな笑みと共に自らの背中を差しだし僕がのりやすいようにと屈んだのだ。しかも何の不思議さもなしに。
僕にとってそれはとても好都合なことだったけれど逆にそれが違和感になって僕の判断を鈍らせる
「…どうしたの…?」
「……あ、ごめんなさい…」
問われてハッとなった僕はそれを悟られまいとして慌ててお姉さんの背中に乗った
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