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お姉さんが地面を踏みしめる。そして鱗ごしに脈動が伝わってしまうんじゃないと思ってしまうくらいの緊張
僕は思わず生唾を飲み込む。崖から見て竦むくらいだから空から見れば気を失ってしまうかもしれない。それも格好悪いが
「っしょ………」
お姉さんが翼に風を送り込み飛翔しようとはためかせる
「しっかり掴まっててねぇ…」
「う、うん……」
いよいよ地面から足が離れる。しかしここで予想外の出来事が発生。急速に上昇、そして翻って……翻って?
急速と翻りで確実に振り落とす気だろと僕は確信しながらも必死に掴まる。だけどその後は安定したように一定の速度を保ったまま空を漫遊しだす
「ごめんねぇ…最初は速度を付けないとあがれないの……」
「だ、大丈夫だよ」
お姉さんは思っていたことが分かるのだろうか?
そんなことを思いながらお姉さんは空を飛んでいく
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