プロローグ

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どこまでも生い茂る深々とした森林、若緑の木々は一切見当たらない程、成熟した深緑色の木々がすっぽりと茸のように沢山生えている古くから存在する密林帯域 一見逸脱したような地形のようにも見えるが所々木は建っておらず、まるでそこだけ別世界のように植物の育ちにくそうな乾燥した硬い岩のような地面が続き、切り立った崖が幾つも幾つも存在する その遥か下に川が、まるで何かを飲み込みたいと意志を持っているよう錯覚させるくらいに流れを急いている 突然はらはらと崖の端の地面が崖の側面を駆け落ち、ややあってからチャポンという虚しそうな水質音を奏で飲み込まれていく ……ゴクリ そしてその切り立った崖の上には、一人…いや、一匹のドラゴンがたたずみ生唾を飲み込み、川に飲み込まれた地面をみて恐怖に身体を震わせていた 周りにはそのドラゴンより二回り程大きな雄ドラゴン達が逞しい腕を組んで崖下を見る小さなドラゴンを見下ろし続ける
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