あらがう事あらがえない事

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今から大体三年くらい前のこと 僕はおじいちゃんの背にのって、初めての空を体験するところだった おじいちゃんの年季の入ったごわごわした毛皮に体をすりつけて遊んでいるとおじいちゃんから、お叱りを受けてしまった 僕が落ち込んでいる合間におじいちゃんが大きな大きな翼をめいいっぱいひろげてはためかせる 体重で補えない部分を魔力で風をため込み一気に解き放つ ビュオルルルルッ 放たれた瞬間、轟音が響き渡り見て取れる衝撃波が発生する。衝撃波は円形に広がり中心側の、ぶくぶくとした木々を根元からめきめきと折り、残り風で巻き上げられていった 「ちとやりすぎたな」 罰が悪そうにおじいちゃんが後ろを振り向いている隙に、僕は空の世界に導かれていた
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