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「つまり、その遺品を保管しているということか。」
「その時からです。奇妙なことが起こったのは。」
「奇妙なこと?」
「決まった日に蔵から女のすすり泣く声がしたり、蔵が荒らされていたりしたんです。」
「・・・・・・・・・・」
ジャック達はまさかという顔をしていた。無理もない、というより信じるという方が無理だった。しかし、彼の人柄は二人の店員が証明している。嘘をつくような人ではない。
「しかし、それではさっき聞いた歌はあの・・・・・・・・」
「歌を聞いた?何のことですか?」
忘れられていたマイク警部が首をつっこんだ。
「ああ。それはスラーですよ。」
「スラーさん?」
「この家に住み込みで働いている雑用係の娘ですよ。確かおとといから遊びに来ているはずです。」
ジャックは内心ほっとしたし、がっかりもしていた。話を伺うと雑用係は3人で、マヌカ・ハーダー、25歳、アリス・マーケ、23歳、そしてスラー・マーケ、12歳がいて、今は夫人と5人で暮らしているということらしい。
とりあえず、彼らには家にいるように忠告し、ジョリー氏を引き連れ、サリーさんが見ていたという蔵にむかった。
蔵自体はそれほど大きくなく、かなりボロがきていて、今にも崩れそうだった。
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