惨劇の歌

2/7
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
翌日、マイク警部の車にのってジャックは昨日もらった住所の場所に行った。和洋服店だけあって、かなり大きい店である。ショーウインドーには今流行のファッションや着物に身をまとったマネキンが立っている。店に入ると、穏やかな表情をした男性が迎えてくれた。 「やあ、ジャックさんにマイク警部。よくぞおいでくださいました。ささ、どうぞ。」 やたらと腰の低いこの男はジョリー・サドー、46歳、この店のオーナーである。ハーフであったところからみると、娘はクウォーターといったところだろう。さっそく彼に家の中に案内された。店とは別に家は純和風のたたずまいで、庭園まであった。その庭園の隅には確かに蔵があった。さほど大きくなく、かなり古いものであった。 「マイク、あれが君の言っていた?」 「ああ。その蔵なんだよ。」 「主人、あの蔵には何が保管されているのですか?」 「え?ああ、あそこには貴重品を入れているんです。」 「貴重品ですか?」 「ええ。お客様がご要望した時しか出さないものが置いてあります。店に置いていて盗まれると大変ですからね。あと、和洋どちらでも似合う飾りものやアクセサリーなども一緒保管しております。」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!