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「ありがとうございました。」
あれから私は彼に車でおくってもらった。
「あっ、また敬語つかって。」
「あっ、ごめんね。」
私たちは付き合う事になった。恋をするまでにそう時間はかからなかった。それはお互いに同じ気持ちだったらしい。
「じゃあ、また連絡してね。遅くなってごめんね。遅いというかもう朝だけど。」
「大丈夫だよ。気を付けてね。ありがとう。」
私は車を降りると、彼の車が見えなくなるまで手を降り続けた。
そして彼は曲り角を曲がる瞬間クラクションを一回ならした。
「ありがとう、好樹。」
家の前の桜の木にはもう桜の花びらはついておらず、地面にも落ちてはいなかった。
「もう散っちゃったのか。寂しいな。」
でも、私の心は満ちていた。
彼と出会う事が出来たから。
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