第二章

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「早く。変顔して。ほら。」 「えっ、こっこう?」 好樹がぎこちなく顔を作るとカメラのシャッターがおりた。 「やればできるじゃん。じゃあ次は…」 私は好樹の頬に軽く口づけをした。 「ちょ…」 再びカメラのシャッターがおりた。好樹は口を尖らせて固まっていた。 「好樹?大丈夫?」 「大丈夫大丈夫。びっくりした。」 「ごめんね。あっ、外出て。プリクラ出てくるから。」 私たちは写真がでるのを待った。その間好樹はUFOキャッチャーを一生懸命見ていた。意外に子供っぽい所が私の心を擽る。 「好樹出きたよ。ほら、見て。」 「何だこれ。酷い顔だね。」 お互いに顔の両側面をつまみドアップで写っていた。 「良い顔がだいなしだね。これはホントに酷い。」 「悪かったわね。」 私たちはこうして休日は楽しく過ごしている。しかし好樹は仕事をしているためなかなか会うことが出来ない。 私たちにとって休みの日は何よりも貴重な時間だった。
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