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ふと時計に目をやる、時間は七時三十分。すでに待ち合わせ時間から三十分遅刻している。私は少し苛立っていた。
改札からは人の波が押し寄せていた。電車が到着したのだろう。
私は好樹の姿を探した。
「あっ。好樹。」
好樹は背が高く一人頭が突き出ているので分かりやすかった。
「遅れてホントごめんな。」
「いいよ。喫茶店はいろ。」
顔をみると許してしまう私。あんなにも苛立っていたのに。
喫茶店に入ると好樹はいつものようにアイスココアを頼んだ。
「結はレモンティーでしょ?」
「うん。」
「じゃあ先に座ってていいよ。持っていくから。」
そういうと好樹は笑った。
いつも好樹は私を優先してくれていた。毎回優しくしてくれて、会う度に好きになっていく。嫌なことも全て許してしまう。
だけど今日は伝えたい。私の思いを。
「おまたせ。」
好樹は私の前に座ると、ガムシロップをレモンティーの中へ入れた。
「はい、できあがり。」
「ありがとう。」
好樹は微笑みココアをすすった。
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