第二章

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別室から戻った両親は魂が抜けたように、一点を見つめてぼーっとしている。目の焦点があっていない。 「結さん。」 父親が私に話をかけてきた。 比較的冷静な感じが好樹と似ていた。 「今日は帰りなさい。好樹は私たちがみているから。」 そういって部屋の出口へ促された。 「すいません。お願いします。またきますので。」 一礼をし私は病院を後にした。 外は雨もあがり旭が天にのぼっていた。 その光は痛いほどに私を照らし続けた。
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