第三章

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あの日から私は毎日病院へ通い、好樹に語り続けた。 「好樹。ほら桜が咲いてるよ。」 もうすでに好樹が事故にあってから三度目の春が訪れていた。 「好樹言ったよね。桜が咲く頃別れは始まるって。でも私たちに別れは来ないよ。ずっと、ずっと、ずっと一緒なんだから。」 好樹は口を微かに動かしかすれた声で何かを言っている。 ―ありがとう― 私はそのように言っているようにみえた。 そして見逃してしまいそうなくらいに小さく微笑む。 つられて私も笑うがしっかりと笑えていない。 「ごめんね。私泣き虫だね。」 そう言って好樹の腕の中に顔を埋めた。 そこには確かに安心出来る温もりが戻っていた。
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