第三章

8/9
前へ
/33ページ
次へ
その後リハビリの末、ぎこちなさは残るものの歩く事が出来るようになった。 会話はまだ難しいが、自分の考えはしっかりと持っているようだ。 そして、担当医から一日外出の許可がおりた。 「好樹すごい良い天気だよ。どこ行こうか。」 私は好樹に問掛けると、好樹は桜の木を指した。 最初は何を伝えたいのは分からなかったが、ふとある場所思い浮かんだ。 「あの桜並木…。」 私が呟くと好樹は私を引っ張り歩き始めた。 「もう散り始めてるから綺麗かもね。」 照りつける太陽の下、私は好樹と手を繋ぎながら歩いた。 あの桜並木へ向かって。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加