第一章

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返信はすぐにきた。やはりその文章からも感情を読み取る事はできなかった。いや、読み取る必要はないのかもしれない。内容の一文一文が正確な意味を成しているから。ここから生真面目な人柄が伺える。 しばらくメールをしてはなしていると、彼と私には共通点があることが分かった。 【波瀬中の卒業生の清美はしってる?僕は彼女の友達です。】 私も清美とは友達だった。私の所属している部活の先輩だが、年を気にすることなく付き合える親友だ。まさか知り合いの友達だとは思いにもよらなかった。尚且、私しか知らないような内容まで知っていた。恐らく彼も清美の親友だろう。 そんな彼に対して私は知り合いの友達という事だけで身近な存在に感じ、親友の友達という事だけで変な信頼を持ってしまった。 それからまたメールを何度かしているうちに、会う約束を取り付けてしまった。 出会い系で会うのははじめましてだった。前まで出会い系には否定的な考えだったが、こうしていざ会うことになると変な緊張感があり、以外にはまってしまうかもしれない。しかし全く見ず知らずで、これといって運命を感じさせるような共通点がない限り会いはしないだろう。 今回は彼に対して運命にもにた感情を抱いてしまった。 彼と会う日は急な話だか明日になった。
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