2.ここまで振り回されたのは初めてだ。

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  「えへっ。トーストを食べる黄もカッコイイなーって」 また嬉しそうに笑う。 その笑顔を見る度に、俺は罪悪感でいっぱいになった。 ま、まぁ一ヶ月くらい付き合ったら、広瀬も冷めてくるかもしんないしな。 …今は、ちゃんと彼氏やってやんないと、可哀相だし…。 俺は、トーストの最後の一口を口に入れ、牛乳を飲み干した。 「ごちそーさま。ほら広瀬、行くぞ」 「うん!お母様、お邪魔しましたー!」 「はぁーい。気をつけるのよー」 部屋から鞄を持ってきて、玄関で靴を履き、外に出る。 すると、いきなり広瀬が腕にくっつきだした。 凄く歩きにくい。 「広瀬、待った!」 「何?」 広瀬を引っぺがし、手を握る。 幼稚園児がするような手の繋ぎ方だ。 広瀬は繋いだ手と、俺を交互に見つめていた。 少し顔が赤くなる。 「…その…あれだ。何事も順番が大切なんだぞ?広瀬がいきなりキスしたからちょっと順番が狂ったけど…まずはこれ!」 「…うん!」 …またそんな嬉しそうに笑って…。 俺達は、再び歩き出した。 広瀬はずっと顔がにやけたままだ。 俺から手を繋いだのが嬉しかったのかもしれない。 学園のアイドルがなぁ…。  .
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