2.ここまで振り回されたのは初めてだ。

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  学校に着くと、物凄い視線を浴びた。 広瀬は気付いているのかいないのかわからないけど、ごく自然だ。 だが俺は、明らかに非難されている視線を、グサグサと突き刺されている。 な、何だよ、これ! 痛い痛い、視線が痛い! 「あれ?どしたの?汗かいてるよ?」 「別に…」 「あたしが拭いてあげる!」 と、広瀬がかわいらしいピンクのハンカチで、俺の頬を流れた冷や汗を拭ってくれた。 だがその瞬間、より一層憎悪の篭った視線が降り注ぐ。 うぎゃー!! 耐え切れなくて、俺は広瀬の手を掴んだ。 「広瀬のハンカチが汚れるから、もういいよ。サンキュ」 「黄…/// (優しい黄…素敵!)」 あー、手を掴むのも駄目っスか。 くそーっ。 嫉妬ってのは怖ぇなぁ。 靴箱を開いてみる。 すると、まるで漫画にでも出てきそうな、ずたぼろにされた上履きが、無惨に散乱していた。 …マジ。 靴箱を開いたまま固まる俺に、広瀬が首を傾げる。 「どうしたの?黄」 「あー何でも。昨日持って帰ってさ、持ってくんの忘れちまったよ」 素早く靴箱を閉める。 広瀬には見えてなかったみたいで、ホッと胸を撫で下ろした。 「俺職員室でスリッパ借りてくるから、先行っててよ」 「やだ!あたしも行く!」 俺は溜め息をついた。
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