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昼になり、みんなが食堂や、屋上、中庭等の昼食スポットに移動し始める。
俺は啓介と、教室で食べる派だ。
啓介が後ろを向き、コンビニで買ったパンの封を切る。
俺は母さんが作ってくれた弁当の蓋を開けた。
「こーおっ♪」
「うわっ!」
広瀬がまた抱き着いてくる。
俺は驚き、手に持っていた弁当を落としそうになった。
「何だよ!びっくりするだろ!?弁当落としたらどうすんだよ!」
「えー?そしたら、あたしを食べさせてあ・げ・る❤」
「だからそーいうこと言うなって!!」
「ね、あたしとお昼食べよーよー」
広瀬は片手に、高そうな布に包まれた小さな弁当を持っている。
すぐ俺のとこにこなかったのは、いつもつるんでる女子に断ってたからか。
…これを断っても意味なさそうだな。
絶対勝手に居座るに決まってる。
「…しょーがないなぁ」
「わーい!」
「でも啓介も一緒だからな?」
「えーっ!?」
広瀬はいかにも不満げな声を上げ、啓介を見下ろす。
俺からはその表情は見えないが、啓介は青ざめていた。
?
俺は首を傾げる。
「まぁー黄の為だしぃー我慢するぅー。
ね、ね、黄!あたし偉い?」
「おー偉いぞ広瀬」
頭を撫でてやると、広瀬は顔を真っ赤にして喜んだ。
俺はそんなことを気にせず箸を進める。
「(相変わらず黄は天然だなぁ。だから結構モテてんのに、本人は全然気付いてないんだもんな)」
「?
何だよ、人の顔じーっと見て」
「いや、別に…いでででで!!」
「…」
啓介がいきなり、涙目で叫び出す。
またもや俺は見えなかったが、啓介の足を広瀬がおもいっきり踏んだらしい。
俺はまた首を傾げる。
啓介は広瀬を睨んだ。
「何で俺が攻撃されなきゃなんねぇんだよ!いい加減にしねぇと流石にキレるぞ!?」
「だって、みんなが言ってたんだもん!」
「はあ!?」
「お、落ち着けよ啓介っ」
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