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私立緑学園高等部。
ここはどこにでもあるようなごく普通の学校だ。
家から歩きで通える距離にあり、俺はそこに通っていた。
勉強も運動も、容姿までもが普通。
でもそんな俺にだって、好きな人はいた。
二年五組、つまり俺と同じクラスの女の子、加藤 朝日。
艶の良い黒髪をいつも二つ括りにした、笑顔が可愛い女の子。
主立った噂はないけど、影で彼女を狙っている男は数知れず。
まあ俺もそのうちの一人なんだけど。
でも、俺が一番彼女への想いが強いに決まってるんだよ!
天然で、優しくて、いつも笑顔で、気が利くし、真面目だし、頭も良いし、友達もいっぱいいて、その上先生を含めたみんなからの信頼も厚い。
もうとにかく可愛いんだ!
だから俺は決心した。
直接は恥ずかしいから、手紙を彼女の靴箱に入れようと!
一晩中考えてやっとできた手紙を、朝一番に来て、加藤の靴箱に入れる。
「…これでよし、と…」
心臓がばくばく言ってる。
加藤は朝早いから、多分すぐ気付いてくれると思うし。
俺はどきどきしながら、教室の自分の席に座って、加藤がくるのを待っていた。
俺を見てどんな顔するかな…。
うわ、顔赤くなってきたっ。
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