1.俺ってホント馬鹿。

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  すると、暫くして、加藤が教室に入ってきた。 いつもより早く来ている俺を見て、加藤はいつものあの眩しい笑顔を俺に向けた。 「おはよう、杉島くん。今日は早いんだね」 「あ、うん、まぁ」 加藤はそれだけ言うと、特に変わった様子もなく席に着いた。 俺は首を傾げる。 …あれ? 何でだ? もしかして、あーゆーこと慣れてんのか? それとも、冷静を装ってるとか? …返事、いつくれるんだろ。 何だか不安になってきたが、加藤を信じて待つことにした。 もしかしたら、放課後にかもしれないしな。 「お?何だ黄、今日は早いじゃん」 「へーんだ。俺だってやるときはやるんだよ」 「は?」 親友の啓介が不審そうに俺を見る。 俺はそれに、歯を見せて笑っていた。 「そのうちわかるって!」 「ふーん」 啓介は俺の前の席に座る。 暫く啓介と喋っていると、段々みんな登校してきて、教室が騒がしくなる。 すると、騒がしい教室に、廊下から男子が駆けてきた。 噂流しの太郎だ。 「大変だ大変だ!あの海内ちゃんに、ラブレターなんか渡した馬鹿がいるぞ!」 「え!マジかよ!」 騒がしかった教室が、より一層煩くなる。
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