1.俺ってホント馬鹿。

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  俺は一人、首を傾げていた。 「えっと…海内って、誰だっけ?」 「は!?お前呆れたぜ!海内 広瀬だよ!同じ二年五組の、学園のアイドル! 芸能界からのオファーが殺到してるのに、事々く拒否してて、学園中の憧れと注目の的であり、社長令嬢! でも彼氏を作らないことで有名なんだよ」 「…ぁ…そ、そうなんだ…」 何でこんなに凄い迫力なんだ? しかもやけに詳しい…。 でも俺が知らないことに驚くってことは、常識か!? 知らなかったなー…。 俺加藤にしか興味なかったし。 「ちなみにファンクラブまであるんだぜ?俺は興味ねぇけど」 「へぇー。んで、つまりその海内ってのにラブレター渡した奴は…」 「馬鹿の世界チャンピオンだな」 「はー気の毒ー」 しかもあの太郎にまで知られたら、学園中に広がるからなぁ。 そいつ可哀相だなー。 なんてことを考えていると、男子の行列を押し退けて、茶色い艶やかな長い髪をした、スタイル抜群の可愛い女の子が教室に入ってきた。 手には白い封筒が握られている。 あれが海内かー。 確かに可愛いけど、俺のタイプじゃないな。 加藤の方が絶対可愛いし! …にしてもあの封筒、どっかで…?
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