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俺は一人、首を傾げていた。
「えっと…海内って、誰だっけ?」
「は!?お前呆れたぜ!海内 広瀬だよ!同じ二年五組の、学園のアイドル!
芸能界からのオファーが殺到してるのに、事々く拒否してて、学園中の憧れと注目の的であり、社長令嬢!
でも彼氏を作らないことで有名なんだよ」
「…ぁ…そ、そうなんだ…」
何でこんなに凄い迫力なんだ?
しかもやけに詳しい…。
でも俺が知らないことに驚くってことは、常識か!?
知らなかったなー…。
俺加藤にしか興味なかったし。
「ちなみにファンクラブまであるんだぜ?俺は興味ねぇけど」
「へぇー。んで、つまりその海内ってのにラブレター渡した奴は…」
「馬鹿の世界チャンピオンだな」
「はー気の毒ー」
しかもあの太郎にまで知られたら、学園中に広がるからなぁ。
そいつ可哀相だなー。
なんてことを考えていると、男子の行列を押し退けて、茶色い艶やかな長い髪をした、スタイル抜群の可愛い女の子が教室に入ってきた。
手には白い封筒が握られている。
あれが海内かー。
確かに可愛いけど、俺のタイプじゃないな。
加藤の方が絶対可愛いし!
…にしてもあの封筒、どっかで…?
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