2.ここまで振り回されたのは初めてだ。

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  「こーおー!!」 「ぐへっ!」 朝起きた第一声が苦しくて出した声なのは生まれて初めてだ。 俺は目の前で、俺を締め付ける美少女を見上げた。 とても嬉しそうな顔だけど、俺は微笑んであげられない。 …つーか。 「何でキミがここにいんの!?」 「何でって、彼女だから?」 「あーもーいいよ…」 俺は頭を掻きながら溜め息をつく。 付き合った初日、つまり昨日も散々なめにあったため、もうどうでもよくなってきた。 俺は広瀬を除けて、起き上がる。 時計を見ると、まだ起きるのには少し早い時間だ。 いつも遅刻ぎりぎりに登校してくる広瀬が、こんなに朝早くから準備を済ませてここにくるなんて、余程頑張って早起きしたんだろう。 …そんなに俺のこと好きってことか。 俺といるときの、凄く嬉しそうな顔を思い出すと、何も言えなくなってしまう。 ホントは加藤に手紙を渡すはずだったことも、広瀬を好きじゃないことも…。 こんな顔されたら、誰だって言えるわけないよな…。 そんなことを考えながら広瀬を見つめていると、広瀬は顔を真っ赤にした。 「もうっ、あたしが可愛いからってそんなに見つめないでよぅー」 「あはは…」
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