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自覚してんだ、やっぱ。
俺は立ち上がり、広瀬を見下ろす。
「着替えるから、廊下に行っててくれるか?」
「え、どうして?」
「どうしてって…だから、着替えるからだよ」
「別に廊下に出なくてもいいじゃない」
「よくないだろ!」
常識ってもんがないのか!?
恥ずかしいだろ!
「だってあたし達付き合ってんだよ?裸を見るなんて序の口序の口♪」
「∑うひゃーっ!!///
女の子がそーゆーこと言うんじゃありません!」
「可愛いーっ!!」
「抱き着くなー!!」
抱き着いてきた広瀬を廊下に放り出し、やっと制服に着替える。
一階に下り、顔を洗ってリビングに入ると、いきなり母さんが駆け寄ってきた。
いつものへらっとした顔で。
「黄ー、まさかあんたにこんな可愛い彼女ができるなんてねぇー。意外とやるじゃないのー」
「あ、お母様、さっきぶりですー」
「さっきぶりー広瀬ちゃん」
「母さん、上がらせんなよ!」
「いーじゃないのー。あんたの彼女なんでしょー?」
「…もー…」
母さんのこののーんびりした喋り方と性格はホント好きになれない。
俺は椅子に座り、トーストをかじる。
広瀬はその隣で、俺を凝視する。
…。
「な、何だよ」
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