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何もない荒野の中に鑑連は、立っていた。
なんだ?と周りを見渡すと遠くの方から馬に乗り誰かが近付いてきた。
殺気を漂わして近付いてくるその武士に恐怖を感じた。
早く逃げなくては。
だが、足が動かない。恐怖だけが強くなっていく。
その時、近付いてくる武士の顔が見えた。
その武士は、自分の姿であった。
鑑連は、その時自分は死んだんだと自覚した。
目を瞑り振り返る。
自分は、まだ何も出来てない。
死ぬのが怖い。
まだ生きたい。
強く願い目を開けるとそこには、自分の幻は消え去っていた。
だが、また遠くに人影が見える。
少しずつ近付いてくるその人物は、穏やかな気を放っていた。
優しくもあり懐かしくもあった。
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