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鑑連が、家督を継いでから少し経っていた。予想とは違い家臣や継母は、何も事を起こさなかった。
鑑連は、少し拍子抜けしていた。
そんな時、殿からの使者がやってきた。
交戦中である戦の援軍として出陣せよとの事だった。
鑑連にとって初陣である。
恐怖がないといえば嘘になる。
初めて一人一人が、命を懸ける場所で、命のやり取りをするわけだから。
だが、恐怖よりも勝るものが心に沸き上がっていた。
好奇心?嫌それとは、違った。
武士としての自覚。
いくら名門の出であろうと力無いものは敗れていく。
戦に出てしまえば、自分の力が全てである。
自分というものを知る好機だと嬉しささえも感じていたのだった。
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