12人が本棚に入れています
本棚に追加
後半で急に体が重くなったんだ。理由はよくわからないけど、仲間の足を引っ張ってしまったのが辛かった。
「おまえはしょい込み過ぎなんだよ」
緑は、ポンと手を俺の頭に乗せて、髪をクシャクシャと散らした。それを止めろと言う元気すら、今の俺にはないみたいだ。
「はぁ……重症だな……」
緑は両手で俺の顔を掴むと、力を込める。無理矢理に頭を上げられた俺の目の前に、緑の重く深い瞳が置いてある。
「いいか、よく聞け……」
頬を掴む緑の両手から強い圧力を感じる。その潤んだ瞳は俺に有無を言わせない。
「おまえが、俺達のリーダーなんだ……! ミスした? 黒に助けられた? それがなんだ?」
「でも……俺は……」
「なんの為に俺達は闘っているんだ? 苦しんでいる人達の為だろ……」
「だけど……さ」
「頼むから……」
頬を押さえていた手が、俺の両肩に乗る。緑はそっと立ち上がると悲しそうに俺を見た。
「頼むから……情けない事言わないでくれよ……」
最初のコメントを投稿しよう!