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自転車に乗りながら、街の商店街を通り、駅前を過ぎる。そうして坂道を上り始める。その時流れている曲などとともに頷き肩落としては。
「ふぅ、ふぅ……落ち着かないったらありゃしない。あ、あともう少しだ……」
最後、最後とやら、を、その余りに似つかないか細い二の腕から見える腕の筋肉とやらを振り絞り、二本坂と呼ばれている(そのよふに呼んでいる)、最後の坂道を上りきったところで、其の男、全身の力を抜き、息を落ち着けよう、と思いは何ゆえ、あとの時分、学校まで下るだけだからである。
いつある風でも気を持ち良くなるな……
風と共に溶け合い、身体冷やす空気が虚と消え入りそうながらも、溢れ見え去る白い吐息という、季節、早過ぎるかな。その風達。
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