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  昌浩の思惑とは外れて、白ランの生徒は校舎を出て歩きだした。 外に出てみると、何人かの生徒がちらほら見られる。 なるほど、理由は分からないが校舎内立ち入り禁止というのは本当だったらしい。 「あの……」 前を行く白ランの生徒に声をかけようとして、昌浩はまだこちらしか名乗っていないことに気がついた。 向こうも呼びかけに気付いて、そういえばというような顔をしてから笑いかけた。 「俺は柊千鶴。さっきの相方は神凪重悟。俺も重悟も三年だから先輩になるわけだ。重悟の方は第四寮の寮長もしてるから、あとでまた挨拶しときな」 「…はぁ」 重悟というのはさっきの機械的な人のことだろうか。 それにしてもさっきのはなんだ? なんで校舎内で戦ってたのか検討もつかない。 ていうかなんで校長室行くのに外に出るんだ。 頭の中を疑問がぐるぐる回る昌浩に、千鶴は苦笑する。 「お前顔に出やすいんだな。聞きたいことがたくさんあるって書いてあるぞ」 「顔に文字なんて書いてありません」 「そう言うと思ってさっき書いておいた」 「いつの間に!」 まったくそんな訳ないのだが。 「くだらないこと言ってないでください、柊先輩」 「すまんすまん、是性分也ってな」 かはははは、と笑う千鶴。 昌浩からしてみれば笑うところではない。 「大体、校長室行くのになんで校舎外に出るんですか」 「うん?なんだ昌浩、お前ここ来るのも初めてか」 「そうですよ、新年明けたと思ったら普段帰ってこない爺様がいきなり帰って来て、『昌浩や、お前も今年で中校生じゃ。学校はもう決めて手続きもしてあるから安心して修行に励めよ』なんて言って資料渡されただけですから。いくら自分の学校だからって裏口入学もいいとこですよ」 裏口どころか非常口のようだ。 「ふーん。お前くらいの能力だったら試験受けても軽くパス出来そうだけどな」
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