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  目が覚めて最初に視界に入ったのが青空ではないことに昌浩は疑問を感じた。 白い蛍光灯が三本並んだ天井を、というより天井自体見るのが久しぶりな気がした。 どこだここは、とまだ働いていない頭をフル活動させて考えるが思い当たらない。 体を起こしてベッドの周りを囲んでいたカーテンを開いてみるが、やはり見慣れない場所だった。 いうなればそう、中学校にあった保健室のような。 しかも気付けばあれだけ汚かった体は傷一つなく、清潔にされている。 髪の毛だけは伸びたままだが。 窓の外は夕日が照らしているのか空は赤く、夕方だということを示していた。 「ここどこ…?」 よし、一から思い出してみようと、昌浩は一ヶ月前(←強調部)のことを記憶から引っ張り出した。 そうあれは、唐突に部屋に入ってきた祖父に連れられて車に乗ったことが発端だった。
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