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「対象確保。よって十人捕縛完了。所要時間十五分三十七秒七九」
機械的に喋った生徒は携帯電話を取り出すとどこかへ連絡し始めた。
「さて、じゃあそこの唖然としてる新入生君。校長室にでも案内してあげよう」
「えっ!?」
別に校長室に案内するくらい驚くような行動ではない。
昌浩が驚いたのは、術によって動きを封じていた相手が目の前でヒラヒラと手を振っていることだった。
普通行動を封じる類の術はよほどの実力差がない限り解けることはない。
当たってしまえば例え相手が自分より強かろうとたこ殴りにさえできる。
もちろん拘束時間は個人の霊力差に準じるため、十秒ほどの術者もいれば一日できる術者もいる。
が、これは違う。
解かれた解けたの話ではなく、無効化に近い。
「置いてくで~」
すでに歩き出した相手に不信感を抱きつつ、昌浩は従うほかなかった。
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