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キラにつれられ通路を走しっていくと、やがて開けた場所に出た。
キラはシェルターの方へ歩き出そうとして、銃声にはっと首をすくめた。
階下では銃撃戦の真っ最中だ。
外からはにかが爆発する音も聞こえる。
だが目に入ったものに、キラは思わず足を止めてしまった。
「――これ……って…」
異教の神の姿を模したような巨大な人型が2体、床に横たわっていた。
それを目にした瞬間、カガリはその場にがくりと膝をついた。
「地球連合軍の新型起動兵器……やはり…」
手すりを両手でかたく握りしめ、うめくように叫ぶ。
「――お父様のッ……裏切り者ォッッ!」
彼女の声は高い天井にはね返り、思ったより大きく響いた。
有名なシーンを生で目の当たりにした仁亜は滲む涙を堪えるも、キラッと光るものがこちらへ向けられるのに気付き、
咄嗟に少女を手すりから引き離し、後ろへ飛び退いた。
途端銃声が響き、
間一髪のところで銃弾が手すりをかすめた。
キラは途端に二人を庇うようにして走り、退避シェルターの入口へとたどり着いた。
インターフォンを押すとスピーカーから声が発しられた。
<――まだ誰かいるのか?>
「Σっはい!
僕と友達二人ッお願いします。開けてください」
<三人!?>
「はい。」
スピーカーからの応答に、一瞬間があいた。
<……もうここは一杯だ。左ブロックに37シェルターがあるが、そこまでは行けんか?>
キラは振り返り、左ブロックを見た。
そこまでは、銃撃戦のまっただ中を横断していくことになる。
「(ここでカガリ、シェルターに乗せな話し変わってまうかもしれんッ
カガリをここで死なすわけにはいかへんねや!!)」
そう考えた仁亜がインターフォンに向かって叫んだ。
「せやったら一人だけでも!
女の子やねん!!」
<ッッ…わかった――すまん!>
『女の子』と言う言葉に暫くの沈黙ののち
スピーカーから返答があり扉が開いた。
そこへ仁亜はカガリを無理矢理押しやる
「Σなにをッ…お前だって女だろう!?」
「…ううん
男の子らしいわ(苦笑)」
途中から気付いていた。
いつも走るのに邪魔になる長い髪が…胸が…ないのだと。
「(女の子じゃなかったの!?)とにかく、僕らはあっちのシェルターへ行く。大丈夫だから!!早く!」
キラは仁亜の言葉に驚きながらもカガリを説得し終わるまえに無理矢理シェルターの扉を閉めた。
そして仁亜の手をとり、再び走り出した。
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