★+。塔谷くんへ。+★

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なんだ、このズキンって感じ。 私、本当は赤ズキンちゃんの映画を見たかったのか? 「塔谷くん、雑貨屋さんでスゴい興味津々に見てたのよ♪ 可愛かった~♪」 「いいだろ、別に。」 結衣と塔谷くんが何か仲良くなってる気がするのは間違いなのだろうか。 「ま、いっか。 行こうよ~!」 そんな深く考えることじゃないし、別にどうでもいいもんねー!!! ただ結衣が塔谷くんの毒牙にやられないようにしなきゃ! 私の大事な友達だもん♪ こうして、私達は映画館に向かって歩いた。 結衣と塔谷くんは、まだ腕を組んでいた。 そして、桐本くんには距離を置かれてる気がする。 私、調子に乗りすぎたかっ!!? 桐本くんをチラリと見ると、桐本くんはボーっとしている。 ああ、美青年の横顔にはそそるものがあるなあー…。 映画館に着きチケットを買って、中に入っても、結衣は塔谷くんの腕に腕を絡めていた。 ぐううぅぅぅ!!!! なんで!? なんでなの、結衣!! 私より、塔谷くんの腕がいいって言うの!? 何だか、さっきからイライラが止まらない。というか、モヤモヤ? いや、イライラ? いや、モヤモヤ? え?イラ?いや、モヤ? 「ああぁぁ!! もうどっちでもいいやあぁ!!! いい加減離れなさいっ!!!」 イライラのあまり叫びながら、結衣の腕を塔谷くんから引き離した。  
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