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「スミレ??」
「冬月?」
私が無理矢理離したことによって、2人はキョトンとしていた。
「映画館の中はウィルスが飛び交うから、あんまり腕を絡めることはしない方がいいよっ!!」
はい、勿論嘘です。
でも、何か嫌だったんだ。
「うん、分かった…。」
「あ、ああ。」
珍しく2人は反論しなかった。
いつもなら、「はっ!?バッカじゃねえの!?」とか言いそうなのに…。
ま、いっか。
腕は離れたし。
私達は、右側の端っこの席に座った。
桐本くん、結衣、塔谷くん、私の順だった。
「なんで私と結衣の間に塔谷くんがいるの!?」
映画が始まる前に人に迷惑がかからない程度の声で塔谷くんに言った。
「知るか!
隆史は端っこがいいって言うし、青山は隣がいいとか言うし、ワケ分かんねーんだよ。」
「私の要望は聞いてくれなかったじゃない!」
「はいはい。
俺の隣がいいんだろ?
映画始まるから静かにしろよ。」
ちょうど照明が暗くなり、ブザーが鳴った。
というか、何言っちゃってるの!!?
「私が塔谷くんの隣がいいとか、有り得ないよ!」
「静かに。」
「~っ!」
何言ってんだ、このチビスケさんは。
のぼせ上がるのもいい加減にして頂きたい。
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