★+。塔谷くんへ。+★

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――龍一side―― なんだよ、この映画。 涙が危うく出るとこだっただろ!! つーか、出ちまっただろうがっ! あぶねえ。 冬月に見られなくて良かった。 さっきは俺の顔、ガン見してたから困ったけど、今は映画に集中してるよな。 冬月も泣いてたりしてなっ。 泣き顔見てやろうかな。 ふっ、と重りが乗っかったみたいにズッシリと肩が重くなった。 重くなった肩を見ると、冬月の顔があった。 「~~~っ!!!!」 なんで寝てんだよ、コイツ!!!! し、心臓に悪いだろうがっ!!! はあ…、こんな泣ける場面で寝る神経を疑う…。 冬月は俺の肩に頭を乗せて、爆睡してやがる。 普通なら頭を軽く撫でたり、肩を抱いたりするだろうが あいにく、俺は撫でれるくらいの身長を持っていない。 背低くて、届かねーんだ。 冬月の顔をチラリと見ると、意外と長いマツゲが目に入る。 顔は、ずば抜けて可愛いとか…特に無い。 目もあんまり大きくないし。 声だって、可愛くない…。 でも、何だかコイツを見てると心が温まる。 コイツを気にかけてしまう。 何でだろうな。 全然可愛くねぇのに。 コイツは俺を嫌いなのに…。 俺だけ気になってるって、不公平だろ。  
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