★+。塔谷くんへ。+★

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――スミレside―― 「…ん、んん。」 暖かい…。 そして、首がちょっと痛い。 ぼんやりした記憶で目を開けると、映画館のカーテンが閉じられてるスクリーンに目がいった。 「あれ…? 確か…あれ? もう終わったのかな…?」 私が少し瞳を閉じてる間に映画が終わったのか? 「やっと起きたか…。」 真横から、溜め息混じりの声が聞こえた。 目をやると、塔谷くんだ。 なんでこんなに距離が近いんだっ!!!? なんで肩に頭を乗っけちゃってるんだ!? 塔谷くんだと分かった瞬間、即座に寝ていた首を真っすぐ立たせた。 「もう映画終わっちゃったの?」 「ああ。帰るぞ。」 映画館内を見ると、お客さんが私たちしか居なかった。 塔谷くんが立ち上がり、塔谷くんの隣の席を見ると、結衣や桐本くんもいない…。 「え!!?みんな、なんでいないの!!?」 お客さんが一斉にトイレに行ったとか!? トイレ現象、ハンパないな!!! 「…だから、映画終わったんだって。」 「え?」 塔谷くんが飽きれ混じりに言う言葉を聞き返すと、別の方面から声がした。 「あらぁ!やっと起きたのねえ。 彼氏さん、ずっとアンタが起きるの待ってたのよ~♪ 優しい彼氏さんねえ♪」 映画館内を掃除している清掃員さんだった。  
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