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「「か、彼氏じゃないです!!」」
「あら、2人一緒に言うなんて…仲の良いカップルねえ。」
清掃員のおばさん!
違うっ!違うんだ!!
塔谷くんを見ると、オバサンに言われて苦笑していた。
「ほら!もう映画終わったし、遅くなるから早く帰りなさいね。」
オバサンはモップがけをしながら、私達に手を振った。
軽く会釈しながら、私達は映画館を出ることにした。
外はもう真っ暗で私が長い時間寝ていたことが目に見えて分かった。
「…あのオバサンさ、お前が起きるまで映画館内にいて良いって言って、待っていてくれたんだ。」
しばらく歩いてると、塔谷くんがクスッと笑いながら言った。
「へえ~。優しい人だね。」
清掃員さん、ありがとう。
「俺も待ったんだけど?」
「あ~、ハイハイ。
アリガトーゴザイマス。」
「片言になんな!」
だって、あの映画甘ったるすぎて、観る気になれなかったんだもん。
カユかったカユかった。
腕をボリボリ掻き、自分の家に向かう道に曲がった。
曲がったら、塔谷くんがまだ隣にいた。
「な、なに!!?
なんで隣にいるの!?
そういうの困るんだけど!ストーカーしないでよ!!」
嫌だ!家がバレる!
怖いよ~。
そうか!だから、金目の物の為に私が起きるまで待ってたんだ!
コンタンが読めたぞ~!
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