★+。塔谷くんへ。+★

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「クラスメートだよ。」 ズキッ 冬月の言葉に心が痛んだ。 クラスメート…。 友達よりも距離が遠い…。ただのクラスメート…。 「へー、初めまして。 瑛太です。」 瑛太はニヤリと笑いながら俺に手を差しだしてきた。 なんかムカつく! 「ああ、よろしく。 塔谷龍一です。」 瑛太の手をギュッとキツく握った。 瑛太は一瞬俺をチラリと睨んだけど、すぐさま握り返してきた。しかも、キツく。 「クラスメートの塔谷くんか。 こちらこそよろしく。」 瑛太はクラスメートを強調して、またキツく握る。 俺もまたキツく握り続ける。 「え!?なんか2人とも、仲良すぎじゃない?仲良くなるの早いね。」 冬月が俺たちの間に立ちながら言う。 誰のおかげでこんなに握り合ってると思ってんだ。 「瑛太くんは冬月とどういう関係?」 軽く微笑みながら瑛太に聞いた。 「ん?彼氏だけど?」 「………え?」 マジかよ。 瑛太が彼氏? なんか、親密的な雰囲気だったけど、彼氏だったのか…? 俺は呆気にとられ、握手していた手を緩めて離し、呆然としてしまった。 「瑛太!!?なに言って…!!」 「ホントなのか…?」 冬月の反論の仕方…照れてる…。 冬月を見て質問したら、瑛太が冬月の腕を引き、抱き寄せた。 小さな冬月は、すっぽりとソイツの胸の中に収まる。 「ああ、ホントだよ。」 瑛太がにっこりと笑いながら俺に決定打を加えた。  
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