★+。塔谷くんへ。+★

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「ちょっと瑛太離してよっ。」 冬月は瑛太の胸の中でもがいていた。 でも、俺から見たら照れてるようにしか見えない。 …まさか冬月に彼氏がいるなんて考えたこともなかった。 「これからスミレとデートしたいな。 じゃ、俺たちはこれで。」 瑛太は冬月を離すと、肩に腕を回し、俺に言い放った。 そして、冬月を引っ張りながらどこかへ歩いて行ってしまった。 冬月が…彼氏…。 俺はアイツらが遠くに行くまで、ただただ呆然と立っていることしか出来なかった。 だって、あの冬月に彼氏だぜ!!? 有り得ないだろ。 あんな青山ラブみたいな奴に彼氏ラブなんて名乗る資格はねぇ!! 青山ラブだった方がまだマシだ。 「…ちょっと待てよ。」 俺の呼び止めた声は、もういない2人に向かって言っていたが、その言葉も消えてすぐに無くなった。 ………帰るか。 映画が終わっても、隆史や青山が一緒に残るって言ってくれたのに、無理矢理帰らせて冬月が起きるのを1人で待ってるなんて…。 それに帰りも何か虚しい気持ちだし…。 あーあ、冬月起きるの待たなきゃ良かった。  
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