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――スミレside――
「ちょ、瑛太!!!!
塔谷くんになんであんなこと言ったの!?」
家の玄関前に着くと、瑛太にデカい声を出して聞いた。
「だって、スミレ。困ってるみたいだったし。
俺、良いことしたじゃん。」
瑛太は玄関に上がると、テニスバックを置き、リビングに入り、ソファーにドスッと体を座らせた。
私も瑛太の後に続いた。
「だからって、弟が嘘つくのは可笑しいでしょ?」
「別にいいじゃん。
終わったことだし。」
「良くない!!!
絶対勘違いされた!」
「勘違いされたからって何だよ?家知られたくなかったんだろ?」
「…………。」
確かにあんまり知られたくは無かったけど、でも…。
「まさか…お前、あの人が好きなの?」
「なっ!!?そんなわけないよ!!!!」
瑛太が目を細めて、怪しげに聞いてきた。
私は瑛太とバッチリ目が合い、何故だか目を逸らしてしまった。
「んじゃあ、良いじゃん。あー、汗かいた。
俺、風呂入ってくるわ。」
瑛太はお風呂場に意気揚々と向かっていった。
「はあ…。」
瑛太と塔谷くんって、なんとなく性格似てるような…。
「あっ、スミレ。覗くなよー。」
着替えを取りに、お風呂場からリビングを横切る時に瑛太が言う。
「覗くわけないでしょ!早く入って!!」
まったく!誰が覗くか!!瑛太め。
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