2225人が本棚に入れています
本棚に追加
「へいへーい。つーか、この前兄貴が風呂入ってたの見てたじゃん。」
瑛太がニヤニヤしながら私に言った。
うっ、バレてたか。
何で分かってたんだ!?
「な、何で知ってるの!!?」
「あからさまにドアの間からソワソワして見てるの見たら分かるって。」
「ち、違うの!ただ、こう…色々考えたくて…!」
ヤバい!冷や汗が出てきた!!
「妄想か?」
「想像力を働かせると言ってください。」
「まあ、どっちでもいいけど。
俺のは、見んなよ。」
瑛太の入浴を見る?
そんなの…そんなの…見たいに決まってるじゃないかーー!!!!
いや、でもここで誘惑に負けたらいかん。
「お、お兄ちゃんのは見たかったの!!」
「ふーん、俺のは?」
「み、みみみ、見たいっ!わけないでしょ!!」
「なら、いいけど。」
瑛太は苦笑すると、スタスタと着替えを持ち、風呂場に歩いて行った。
風呂場からシャワーの音が聞こえる。
み、見たい…。わけないじゃないか…。
いや、実際チラリとだけ目には入れてみたいけど…。
いや、でも…そんな。
ソファーに座り、1人で頭を抱え、葛藤していた。
「スミレ、帰ってたんだ?」
私が『よしっ!行くべきだ!!』と思って、立ち上がった時、後ろから声がする。
後ろを向くと、
私の大好きなお兄ちゃんがいた。
最初のコメントを投稿しよう!