★+。塔谷くんへ。+★

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なんで彼女がいないのか、と時々よく思う。 「ねえ、お兄ちゃん。 ひとつ聞いていい?」 キッチンでチャーハンを作っているお兄ちゃんに近づき話しかけた。 「ん?なに?」 「なんで彼女いないの?」 単刀直入にお兄ちゃんに聞いた。お兄ちゃんは、私の質問を聞いたと同時に、大きな音でまな板に包丁をぶっ刺した。 「お、お兄ちゃん?」 怖い。怖すぎるっ。 笑いながら、包丁をぶっ刺した兄の顔は、極道の人並みに怖い。 「そんなことどうでも良いだろ。」 悪魔で爽やかスマイルで言う兄。 お兄ちゃん、無理な笑顔やめましょう。 物凄く怖いです。 「あはは、だよねえ。 あはあは…。」 あまりの怖さに顔が引きつる。 「ほら、チャーハンできたよ。運んで運んで。」 お兄ちゃんがチャーハンをお皿によそった。 いつの間に出来たんだ!! 「うん!」 私は元気よく返事をし、チャーハンをテーブルに置いていく。 「おぉ、良い匂い。 今日はチャーハン?」 瑛太がタオルで髪を拭きながら、半袖Tシャツとハーパンできた。 「今できたばっかりだよ!ちょうどだね。」 濡れた髪を拭く姿もいいぞ! 「お、兄貴。帰ってたんだ。おかえりー。」 「ただいま。 部活お疲れ様だな。」 お兄ちゃんはニッコリ瑛太に笑いかける。 …こんなに素晴らしい人なのに、なんで彼女がいないのか益々分からない。  
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