6人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
――「ねぇ、今日こそ教えてくれるんでしょ?」
そう彼女は言って俺の顔を覗き込んできた。
「ん? あの時って、どの時だ?」
とわざとらしく言うと彼女は、不機嫌そうな顔をした。
「あはは。 冗談だよ。 ……まぁ、話しても良いよな。」
と少し小さな声で言った俺は、
「長くなっから、あのベンチにでも座ろうぜ。」
と言い、ベンチにゆっくり座り、真上に顔を向けた。
あぁ……もう太陽があんなとこに。 時間がたつのは早いな。
と想いながら、俺はポケットに手を突っ込んだ。
よし、ちゃんと持ってきてるな。 ……気に入ってくれかな? 気に入ってくれっと嬉しいな。
そんな事を想いながら少し笑った。
「ねぇ、早く教えてよ~。」
彼女は少しつまらそうにそう言ってきた。
「そうだな。 ……じゃあ覚悟しろよ。 結構長いから。」
俺は笑いながらそう言うと彼女は、「前置きは良いから、早く~」と言って俺を急かした。
俺は苦笑いを少し浮かべ、「はいはい。」と言い語り始めた。
あの日起きた全ての事を。――
最初のコメントを投稿しよう!