約束

4/6
前へ
/35ページ
次へ
拓南高校は最後の攻撃のため、DF一人とキーパーを除く全員で攻め上がっていた。 そしてサイドを駆け上がった選手が綺麗な手本のようなクロスを上げた。 怜には時が止まっているように見えた。 寒さの中で短いスカートを履き、揃ったダンスを笑顔で披露しているチアガールも そこらに落ちている落ち葉でさえ、その一瞬ばかりは動きを止めているように思えた。 そして次の瞬間… 会場内の視線は尚陽高校のDFと競り合った拓南高校の選手がヘディングする姿を捉えた。 ボールはそのままゴールにゆっくりと、しかし確実に向かっていった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加