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楽しい時間とは短く感じるものだ。
一時間の自由時間は瞬く間に過ぎてしまった。
選手たちは不満を口にしながらもバスに乗り込み、目的地である試合会場に向かった。
試合会場の近くには多くのグラウンドがあり、大会に参加するチームにそれぞれ割り振られていた。
そこで選手たちは一時間ほど軽く汗を流し、翌日のの試合に備えた。
「長旅ご苦労だった。試合は明日からだから今日はこれで終わる。
あとは自由にする、ホテルでよく休んでくれ。」
Aチームの監督、坂田の言葉でその日の練習は終わった。
一旦は部屋に戻った怜だったが、何だか落ち着かず、フラフラと外を散歩することにした。
足は自然とグラウンドに向かっていた。
「グラウンドで誰かが練習している……」
確かにグラウンドには人影があった。
しかし、遠すぎて怜の立っている位置からでは誰なのかよく分からなかった。
最初は躊躇していたが意を決して中に入ってみることにした。
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