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その少年は篠原拓也と名乗った。同じ学校の隣のクラスの子らしい。
「君はどこかのクラブチームに入っているの?」
「入ってないよ。でもどこかのチームには入るって決めてるんだ」
「へー、どこのチームに入るの?」
その質問に怜は困った。
引っ越して来たばかりの怜は近くにどんなチームがあるのか知らなかった。
「最近引っ越して来たからどんなチームがあるか知らないんだ」
「じゃあさ、ウチのチームに入ればいいよ。同じ学校の人がたくさんいるからうち解けやすいと思うし」
「そうだ!!ちょうど明日練習があるからさ、学校が終わったら一緒に行こうよ」
「うん、わかった。ありがとう」
怜は勢いに圧倒されて頷いた。
「じゃあ明日学校で……」
拓也はそれだけ言うと帰っていった。
結局彼は何をしに来たんだろう、怜はただ呆然と拓也の後ろ姿を見つめていた。
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