-参-

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  -アノ子何処の子- 彼はあの恐山で産声と共に死にました。 風任せにカタカタ廻る風車の音はそれは虚しく響き渡りました。 僕が死んだ時には、母親は耳の聞こえない人だったので、僕の泣き声など分からず半ば叫んでは爪をかじり、狂ったように宗教に浸かりこんでおりました。 その為その行動は『死』の悲しみを和らげる行動と思いましたが、違ったみたいなのでした。  
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