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「……冷やし中華?」
エレノアの口から、冷やし中華なんて言葉を聞けるとは。
ついつい、俺は訝しげな顔で聞き返してしまった。
「冷やし中華を食べたいと思っちゃいけませんか?…嫌なら鍋焼きうどんにしますけど」
「い、いや…冷やし中華でお願いします」
慌てる俺を見て、彼女は楽しそうに笑った。
そういえば最近、父親の事を話す時よりもずっと良い笑顔を見せてくれている気がする。
それがかなり嬉しい訳で、いつの間にか俺も笑っていた。
……ただもう一つ、最近のエレノアには変化があった。
楽しそうに笑う顔に比例するように、何かを思い詰めているような表情も見せるようになったんだ。
もしかしたら、彼女は何か…隠しているんじゃないだろうか。
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